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野球特待生問題について。

日本の学生野球には、1950年に制定された「日本学生野球憲章」という学生野球の憲法というべき規範があります。この憲章の第13条第1項「選手または部員は、いかなる名義であっても、他から選手または部員であることを理由として支給され、貸与されるものと認められる学費、生活費その他金品を受け取ることはできない。」という条文があり、これが今、学生野球、特に高校野球界で大騒動になっている「特待生制度」問題の根拠になっています。

学生野球憲章で、「…できない。」と明文化されいる以上、そこに属するすべての団体は、それを守らなくてはいけません。このことは絶対条件であり、違反をした場合はペナルティを受けなければなりません。ただ、その規定が現状にそぐわなくなってきている場合、かたくなにその規定を適用し違反団体に罰則を与えるだけで問題は解決するのでしょうか?現状にあった規定に改正して新たに運用していくことこそ大事なことではないかと思います。

特待生制度は、学校ごとに様々な実施形態がありますが、ごく簡単に言えば「様々な分野で優秀な活躍をした学生に対して、入学時に学費免除や減免等の特別待遇をその学生の在学中保証する」という制度ということができるでしょう。勿論在学中に特待生自身が何か問題をおこしてしまった場合は、その保証は取り消されることもあります。

「金銭的援助」といった点だけをとらえた場合、この特待生制度での学費免除等と、学業で優秀な成績をおさめた学生に支払われる奨学金制度とどういう違いがあるのでしょうか?学校側から学生側に援助を働きかける(スカウト等)のが「特待生」、学生側から学校側(もしくは互助団体等)に援助を働きかける(申請)のが「奨学金」という程度の違いしか思い当たりません(特待生になるための選抜試験等あればこの考え方もはあてはまりませんが…)。奨学金は、他からの金銭的援助がない場合、その分野での活動の継続が困難になってしまう場合に申請するものだといわれる方もいるでしょう。でも、特待生として入学した学生の中にも、金銭的な問題(学費等が払えない)を抱えた人も存在しているでしょう。こういうケースの場合はそれこそ両者の明確な線引きはできないのではないでしょうか?

「様々な分野に秀でた人材が、学生生活を送る為に金銭的優遇措置を実施する。」という趣旨は同じなのに、「野球特待生」だけは憲章違反でNG、その他のスポーツ・学業・文化芸術・奉仕・福祉活動等の特待生制度はそのままなんていうのはおかしくないですか?様々な有望な人材を出来るだけ多く、幅広く集めたいと考えている私立学校ならば、特待生制度を実施したって特に問題は無いと思います。(特待生制度を乱用し、学費免除して学校経営が苦しくなるのは自業自得ですから。)特待生制度は、そんなに悪しき制度とは思えないのですが…。

宮城県の強豪東北高校は「諸般の事情により」、春季県大会への出場を辞退しました。高野連が発表した第13条違反校へのペナルティに対しての学校側の対応策だったことは明白です。今後も東北高校に続く高校が次々出てくることでしょう。

今から約60年前に定められた現状にそぐわない「憲章」のために、今一番悲壮な思いをしているのは、出場辞退に追い込まれた野球部員たちだということを、日本高野連の関係者の方々はわかっているのでしょうか?。憲章の厳格な適用だけではなく、現状にあった形への憲章の改正という別の視点ももってただきたいと思います。

(続編「野球特待生問題について 2」もあります。)

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調べたら 376校約8千人だったという。 何十年か前 〇〇学園が滅法強い時期があ [続きを読む]

受信: 2007年5月 5日 19時03分

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