« ちょっと真面目に政治の話。 | トップページ | 自宅で野球が見たい! »

情報の見極め。

4月14日付読売新聞に一面に「高3学力低下歯止め」という見出しがありました。全国の高校3年生15万人に学力テストを受けさせた結果、ゆとり教育で懸念されていた学力の低下傾向に歯止めがかかったという内容でした。

前から、こういった官公庁(今回は文部科学省)から発表されたデータや統計の数字、それを基にした分析や予測は、素直に信じないほうがいいと思っています。なぜなら彼らが発表する数字には作為性がみられるからです。わかりやすくいうと「データの集計からある傾向を導き出す」というのが本来の姿であるのに対し、彼らはまず「結果ありきでその裏づけの為に都合のいいデータを作っている。」ということです。厚労省発表の年金支給の算出の根拠となった出生率予想なんかは一番いい例じゃないでしょうか?

今回の文科省の発表にも、この問題は当てはまります。まず一つ目は、試験の実施対象が高校3年生の僅か13パーセントの約15万人であること。全高3生が対象でないということは、実施する対象高校を選んでいるということになります。(ちなみに小学6年生、中学3年生に実施する試験は全員が対象だそうです。)2つ目は、文科省が「想定正答率」なる基準を設け、その基準に対して実際の正答率との比較を行い、学力低下に歯止めの傾向という結果を発表したことです。「想定正答率」とは「標準的な学習を行った場合に正しく回答する生徒の割合を予測したもの」と文科省は定義しています。「標準的な学習」っていったいどんな学習?「正しく回答する生徒の割合を予測」って誰が予測しているの?これこそ文科省が勝手に都合のいい数字を設定しているという証拠のような定義付けだと思いませんか?

つまり文科省は、ゆとり教育批判に対応する為に策定した新学習指導要領の実施によって、学力低下に歯止めがかかったという結論を発表したいが為に、その根拠となる都合のいいデータが欲しかった、ゆえにこの大掛かりな茶番(全国学力テストの実施)をおこなったといえるのではないでしょうか?

これだけ世間で「ゆとり教育の実施による学力低下」が問題化している一方、高卒者の大学進学が当たり前になってきている現状を考えれば、新学習指導要領の実施の効果ではなく、学校での時間外補習・補講、はたまた外部の予備校・塾等のおかげで、学力低下に歯止めがかかってきたと考えるのが自然だと思います。そのことは「知識偏重の詰め込み教育から脱却し、自分で考え、表現する力を身につけさせるという理念」からゆとり教育が始まったにもかかわらず、知識を問う問題で正答率が高く、記述式問題では正答率が低いという結果から見ても一目瞭然でしょう。

さて、今まで官公庁のデータの作為性について書いてきましたが、それを伝えるメディアの伝える情報は全幅の信頼をおけるのもなのでしょうか?たとえば新聞という媒体を例にとって考えてみます。

ある事件が起きて、記者が現場にいきます。直接事件に遭遇したわけではないので取材を行います。①現場の状況をみて記者が感じた心象、②事件に遭遇した人から話を聞く、③関係する役所(警察・消防)等からの発表、主にこの3つをまとめて記事を作成し写真と一緒に編集局に送ります。この段階ですでに①では記者の、②では事件遭遇者の、③では発表を聞いた記者の主観が、送られた記事には反映されていることになります。そして編集局では、膨大な数の中から紙面で取り上げる記事・写真をピックアップします。この段階で編集局・編集者の主観が、選ばれた記事に反映されていることになるわけです。

以上のことから、事件を客観的に伝えていると思われているメディアの情報にも、複数の人物が間に介在しており、その人達のそれぞれの主観が知らず知らずのうちに(あるいは意図的に)事実の上に重なり合って事件の本質と違ったニュアンスで伝えられてしまう恐れがあるわけです。

「すべての情報を疑ってかかれ」とはいいませんが、メディアからの情報をすべて鵜呑みにして「それが正しい、それがすべてだ」と信じ込んでしまうことは危ういことだと思います。これからは、氾濫している情報の中から、正しい(何をもって正しいとするのかも問題ですが…)本質を見極める目を養っていかなければ…と思います。

今回も堅苦しい内容ですいません。次回は野球の話に戻る予定です。

|

« ちょっと真面目に政治の話。 | トップページ | 自宅で野球が見たい! »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 情報の見極め。:

» カタカナ学部が増加 [マックな美肌生活!]
学部や学科の名称にカタカナをつける大学が増えている。一見しただけでは、何を学ぶのか見当が付かないものも。学問の範囲が広がって日本語では表現しにくくなっていることや、少子化を背景に「他大学と差別化を図りたい」との狙いがある。大学全入時代を迎え、カタカナ学部・学科はまだまだ増えそうだ。... [続きを読む]

受信: 2007年4月17日 21時25分

« ちょっと真面目に政治の話。 | トップページ | 自宅で野球が見たい! »