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「野球監督の仕事」

「野球監督の仕事」(成美堂出版・950円+税)という本を購入しました。

紹介されているのは、プロ野球4人(G・原監督、M・バレンタイン監督、C・ブラウン監督、L・渡辺監督)、大学野球2人(早稲田・應武監督、浜松大・永井監督)、高校野球4人(横浜・渡辺監督、塾高・上田監督、海老名・寺尾監督、吉田島農林・伊沢監督)、その他2人(東京北砂リトルリーグ・久保監督、女子日本代表・鈴木監督)の12人。

性別も違えば野球を取り巻く環境も違う12人が、それぞれの野球観に基づく監督としての在り方(指導法や心構え)・目指している理想の野球への取り組みについて語っています。インタビュー形式でわかりやすくまとめてありますので、個性や考え方の比較をしてもなかなか面白いかったです。

特に私の心に響いた記述を一部ご紹介させていただきます(『 』内、引用)。

1)マーティー・ブラウン監督(広島カープ)

監督の役割について

『監督としての仕事は「方向性を与えることだ」と考えています。チームが今日戦う為の方向性を与えること。また、選手一人一人の良い部分をパフォーマンスとして発揮できるための方向性を与え、チームが一つになって同じ方向に向かっていけるようにすること』

選手一人一人に個性があり、目的が同じでも方法が異なることを指摘、個性によりやり方が違うことを述べた上で

『「監督なので私のやり方がすべて。選手の皆さん私のやり方に合わせてください」というやり方もできるかもしれない。でも私は違います。…(中略)…「私が選手、もしくはチームカラーに合わせる方が簡単。私だけが変わればいい」と考えるようにしています。』

2)永井浩二監督(浜松大学)

最近の学生は言われたことはしっかりこなすことができるが、自分自身で「考えること」が極端に苦手であることを指摘し(横浜高・渡辺監督も「言われたことさえやれば自分で考えなくてもいい、自分で創意工夫してやっていこうというものがない」という同じ趣旨のことを指摘していますが…)

『だから僕は「自分で考えなさい。大学生なんだよ。それが一番早い上達方法だよ」と言います。』

3)久保洋一監督(東京北砂リトルリーグ)

監督としての素養とは何か?について「我慢」「落ち込まない」「対話力」の3点をあげ、

(監督としての)『「才能は必要か?」と聞かれると、「才能は必要じゃない」と思います。努力はもちろん必要でしょうけどね』

4)ボビー・バレンタイン監督(千葉ロッテマリーンズ)

ミスした選手との接し方について

『「常にどんな状況でもベンチ内の選手にはプレイする機会を持ってもらっている」という風に思って下さい。そのプレイの中で成功もあれば失敗もある。失敗した時は「プレイする中でミスは付きものだ」と考えている。そして「常に成功しろ」と言っているわけではないし「失敗してはいけない」と言っているわけでもない。ただ「全力でプレーして欲しい」だけです。』

監督をやる上で一番大事にしていることとは

『「情熱をもってやらなければならない」、そして「全てを捧げるという気持ちでやっていかなければいけない」ということ。監督として行動する時には、そのことにおいてできること全てを出すことが大事です。そして全てを捧げたことに対しては、楽しまなければいけない。また楽しんでいる姿を人に見せることも大事。監督が楽しんでいれば、選手たちも楽しめるはずです。楽しければ「もっと上手くなりたい。楽しみたい」とみんなが思う。そうすれば練習もしっかりやり、試合中は「勝利」への強い情熱を燃やすことができる。「勝利」のことだけを監督は考えそのためにはどうすれば良いのかを考えれば、自然と「答え」は出るはずです。』

これ以上内容をばらしてしまいますと、読む楽しみが半減してしまいますので詳述はしません。

ただ勝利重視・育成重視…プロと少年野球では当然のごとく目的や取り組み方は違うわけですが、どの監督にも共通していることは「選手との相互コミュニケーションをはかる」「選手を観察し個性や実力を把握する」ことを重要なポイントとしてあげていることです。

十人十色といいますが、12人の監督がいれば12色のカラーが存在するわけです。しかしながらそのカラーを形作っている監督が持っている手持ちの色のうち何色かは、色の三原色のように全ての監督が共通に持ち合わせていることが解りました。

つまり三原色(=監督としての認識・視点といえるものなのでしょうか?)に各監督がそれぞれ持ち合わせているカラーを組み合わせたり混ぜ合わせて、オリジナリティーや持ち味・特徴のあるチームを作り上げているのです。

草野球の指揮や少年野球を指導していくにあたり、非常に興味深く勉強になる冊子でした。

もしよろしければ読んでみてくださいね。

最後に余談。

G・原監督は、選手起用について「力が同じならば、若い選手を」という信念を持っていると述べています。

M・バレンタイン監督は、『選手が同じ実力ということはまずありえない。同じレベルにあると言われたときは、果たして正しい評価をしているのかなと思う。2人選手がいればそれぞれ良い部分も悪い部分も異なる。絶対に同じ実力の選手というのは、いるはずがない』と語り、監督は選手の実力を見極め、勝利の為にはどちらを使うのがよりベターかを常に判断し選手起用しなくてはいけないと述べています。

このあたりが監督のカラーということになりそうですが、皆さんはどちらの色がお好みですか?

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