1回戦・聖光学院vs日南学園戦。
仕事の関係上、8回裏からのテレビ観戦でした。
別次元の世界のような雰囲気を感じましたね。部外者が踏み込むことを躊躇するくらいまでに高められた選手たちの集中力、その試合を戦っているものだけが味あうことを許される充実した緊迫感に支配された世界のようなものが、画面からビンビン痛みを感じるほど伝わってきました。
甲子園という舞台が全身全霊をかけて戦う選手の全能力を引き出しているのでしょうか、緊迫した試合展開が選手の全能力を引き出しているでしょうか、それとも選手たちが体験したこれまでの苦難の経験が力となって加わり、全能力以上の能力を引き出しているのでしょうか…。
9回表は、鳥肌が立ちました。
4-3、聖光リードで2死1・3塁。聖光マウンドには今大会注目の好投手・歳内君。打者は6番元武君。気迫の投球を続ける歳内君が2ストライクから投じた低めワンバウンドのSFFに元武君がハーフスイング、球審がストライクのジャッジをコール、試合終了と誰もが思った瞬間、その投球はキャッチャーの右横をすり抜けバックネットへ。
三振振り逃げ、同点…。
キャッチャーからのサインに目を見開いて頷き、1球ごとに帽子を飛ばしながら力投していた日南・村田君。その姿に象徴されるように、選手が一体になり逆転を信じ声を出し続けた日南学園の気迫が、この三振振り逃げ同点劇を呼び起こしたような錯覚を覚えました。
試合は、10回裏その村田君から歳内君がサヨナラ右前安打を放ち、5-4で聖光が勝利。
試合後、聖光の芳賀君は「試合中は思わなかったが、勝った瞬間、被災地のことが頭に浮かんだ」と語ったそうです。
大震災被災地の福島、口蹄疫・新燃岳噴火・鳥インフルエンザ被害地の宮崎。その苦境を経験してきた両チームだったからこそ、「無意識の意識」に突き動かされ、素晴らしい集中力・気迫で最後までプレイし続けることができたのかもしれませんね。正直なところ「決着なんかどうでもいい、この両チームの戦いをずっと見ていたい」と思いましたし、「試合開始から見たかったなぁ」ととても残念でもありました。
まだ始まったばかり、しかも8回からしか見ていないのですが、それでもこの試合は今大会ベスト1、いやいや、私の心に残る名勝負の一つになったことは間違いありませんね。
【大会1日目・第3試合】
日南学園 002 010 001 0 =4
聖光学院 000 010 300 1x =5
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コメント
見応えのある試合でした。
聖光のキャッチャーの打撃妨害というのが3度あったと思います。
解説者が、バッターが後ろの方に立っている、と言うようなことを言っていましたが、めずらしいですね。
投稿: マーチ | 2011年8月 7日 08時36分
マーチさん、コメントありがとうございます。
夏の甲子園、いよいよ始まりました。
開幕ゲームから大熱戦が繰り広げられ、目を話すことができませんね。でも仕事が手につかない…(笑)。
被災地チームにどうしても肩入れしそうになるのですが、そこはグッとガマンして、敵味方無く、高校生達の一生懸命なプレイに心からの声援を送ろうと思います。
どんな大会になるか、楽しみですね。
また何かありましたらコメントいただけると嬉しいです。
投稿: すーさん | 2011年8月 8日 07時49分